Review

I’ll Forget 17今の時代、若くても聴ける音楽の量や種類はひと昔前と比べたら圧倒的に多いでしょう。だから若くして成熟した音楽をやるアーティストが出てきても驚くことではないけど、ここまで落ち着いた渋めの音楽をやる十代なんてそうそういないでしょう。音の組み合わせはエレクトロニクスとピアノが中心で、そこにギターや生楽器を加え音数や層を少なめにし音圧も抑えた作りが中心で、ディープなダンスミュージックなどの影響も感じさせる。平坦な歌い方で歌が上手いわけではないけど、ポストロックやチャンバー系エレクトロニカなどの構造で、楽曲の浮き沈みで感傷的なメロディなどを生み出している。でもそんなにドラマチックに展開せず落ち着いた感じが、この十代の凄いなって思わせるところです。