激しいクラブ・サウンドを追求したKelly Lee Owensの新作EP『Kelly』:混沌とした世界を反映し、内臓に響くような「ギリギリの音」を体現

激しいクラブ・サウンドを追求したKelly Lee Owensの新作EP『Kelly』:混沌とした世界を反映し、内臓に響くような「ギリギリの音」を体現

UKのダンス・プロデューサー兼シンガーのKelly Lee Owensは、前作のアルバム『Dreamstate』のリリースからほぼ1年を経て、新たなEP『Kelly』を来月発表します。この新作は、これまで以上に激しいクラブ・サウンドに特化した作品となっており、彼女が多数のライブやDJセットをこなしてきた経験が反映されています。

Owensは、このEPについて「クラブや音楽イベントでしか味わえない、集団的で身体的な体験」を体現していると説明しています。音作りにおいては「内臓に響くような(visceral)」サウンドに惹かれ、不吉で、不安定で、時には不快にさえ感じる「ギリギリの音」を追求したと述べています。これは彼女自身の感情的な状態と、世界が反映している混沌とした状況を反映しているとのことです。先行トラックの「Ascend」は、その言葉通りの「内臓に響く」サウンドではないかもしれませんが、神経質なレイヴ・サンプの中にカタルシス的な高揚感があり、群衆を沸かせるドロップに至るまでの緊張感の引き延ばし方が際立っています。