アメリカ・ポートランドを拠点に活動するシンガーソングライター/ギタリストであり、数々のジャンルを横断したコラボレーションでも知られる Emma Ruth Rundle が、2021年の『Engine Of Hell』以来となる通算6作目のスタジオ・アルバム『These Killing Times』のリリースを発表し、先行シングル「Powerless」を公開しました。本作は、2025年初頭の気候災害やキリスト教ナショナリズムの台頭、資本主義の締め付けといった過酷な社会政治的状況に直面した彼女が、絶望に陥るのではなく、痛みを認めながらも「コミュニティ」と「レジリエンス(回復力)」を提示するために創り上げた、反家父長制的なフェミニストの怒りと抵抗のアンソロジーです。
リード・シングルである「Powerless」は、当初「Noam Chomsky Is Dead To Me」という仮タイトルが付けられていた楽曲です。ノーム・チョムスキーとジェフリー・エプスタイン(および富裕層)との繋がりが暴露されたニュースをはじめ、日々労働者階級に課される無数の不条理や帝国の崩壊、人権の侵害といったデモラライズ(士気喪失)させる現実への強烈なリアクションとして書かれました。精神的・感情的な苦痛を名指しし、「私たちは孤独ではない」と伝えるために、破壊と再生の象徴としての「ハンマー」を呼び覚ますような、切実でヘヴィなエモーショナル・ラメント(哀歌)に仕上がっています。
本作の制作には、過去にもタッグを組んだ Sonny Diperri をはじめ、Patrick Shiroishi、Marissa Nadler、Storefront Church、そして Baroness の Gina Gleason など、多才なゲストミュージシャンが多数参加しています。「Powerless」でも、静かで思索的な始まりからストリングスとギターが圧倒的な音の渦へと膨れ上がるドラマチックな展開を見せており、Troy Zeigler(ベース)、Jess Gowrie(ドラム)、Nick Reinhart(エレキギター)、Cinder Well(ハーモニーボーカル)らが重厚なサウンドスケープを支えています。
