DIIV × A. G. Cook という異色のタッグが解き放つ、重厚なシューゲイザーの美学と最先端エレクトロニック・プロダクションの衝撃的な融合

DIIV × A. G. Cook という異色のタッグが解き放つ、重厚なシューゲイザーの美学と最先端エレクトロニック・プロダクションの衝撃的な融合

ブルックリンのオルタナティヴ・ロック・バンド DIIV が、通算5作目となるニュー・アルバム『ZIRP!』のリリースを発表し、そのオープニングを飾るリード・シングル「The Fountain」を公開した。前作『Frog In Boiling Water』から約2年という彼らにしては異例の早いペースで届けられた今作は、ハロウィン直前にリリースが予定されている。リード曲「The Fountain」は、囁くようなボーカルと不穏なギター・サウンドという DIIV のパブリック・イメージを踏襲しつつも、後半にかけて蠢くシンセ・ビートと浮遊感のあるリード・ギターが交差する、バンドにとって鮮烈な新境地を示すナンバーとなっている。

アルバム全体のプロデュースを手掛けたのは、PC Music の創始者であり Charli XCX との仕事でも知られる A. G. Cook である。Cook は安易なリミックス的手法ではなく、DIIV のライブの熱量や複雑なペダルワークによるギター録音といった生のダイナミズムを重視。コンピュータ上での作業を極力抑えつつ、彼らの肉体的なサウンドをユートピア的かつディストピア的な概念へと昇華させた。ハイパーポップの最高峰とシューゲイザーの第一人者がタッグを組むことで、従来の枠組みを超えた異色の音響空間が作り上げられている。

DIIV は本作『ZIRP!』を、Slayyyter や Eartheater、Turnstile らとともに音楽シーンの既存のカテゴリーを解体する「New Alternative」運動の一環として提示している。長年培ってきたグランジ/シューゲイザーの重厚な美学と、電子音楽的ポップネスが見事なダイナミズムで融合した今作は、ポスト・ジャンル時代におけるオルタナティヴ・ロックの新たな可能性を提示する野心的な重要作である。