Wieuca – “Forklift Certified Freak”

アメリカのジョージア州アトランタおよびアセンズを拠点に活動するインディ・ロック・バンド、Wieucaが放ったシングル「Forklift Certified Freak」は、彼らが得意とするオルタナティヴ・ロックの不条理なユーモアと、生々しくも中毒性の高いライブの熱量を凝縮した1曲です。フロントマンのWill Ingramが放つ「フォークリフトの運転免状を持ってる奴はいるか?」という突飛な問いかけから始まる本作は、90年代のローファイ・ロックやポスト・ハードコアの歪んだギター・サウンド、そしてサザン・ゴシック(南部ゴシック)の奇妙なフレーバーが混沌と交錯します。Pavementのような脱力感とBeckを彷彿とさせるジャンル横断的な雑食性を併せ持つ彼らだからこそ生み出せる、エキセントリックで強烈なエネルギーに満ちています。

本作は、米東海岸を巡る「Team Building」ツアーのクライマックスとなったアトランタのベニューAisle 5での熱狂的なライブでも披露され、バンドの地元シーンにおける圧倒的な存在感を証明する重要なキラーチューンとなっています。これまでに40以上の作品を精力的に重ね、Land of the FreakやRemote Focus Recordsといったインディペンデントな枠組みを通じて独自の歩みを続けてきたWieucaですが、今作でもその予測不能なソングライティングと鋭いパンク精神は健在です。コアな音楽リスナーの心を掴んで離さない、まさにアトランタの地下インディ・シーンの現在地を象徴する、騒々しくも痛快な仕上がりとなっています。


M. Woodroe – “Sweetness, Sweetness”

M. Woodroeのシングル「Sweetness, Sweetness」は、インディーズレーベルのVenn Recordsから現在発売中の楽曲です。イギリス・ブライトンのDIYシーンから誕生した彼らは、ノイジーでグランジ、そしてエッジの効いた(アングラーな)サウンドを鳴らす4人組のオルタナティヴ・ロックバンド。社会への怒りやフラストレーションを轟音の壁へと昇華させ、政治的なメッセージを伴いながら既存の境界線を打ち破る刺激的なスタイルが特徴で、本楽曲は9月18日リリースのデビューEP『The Treatment of Fractures』に収録されています。

楽曲の世界観を表現したオフィシャルミュージックビデオは、彼らが持つDIY精神と、荒々しくも切迫した熱量を視覚的に捉えた映像作品に仕上がっています。Venn Recordsのプラットフォーム等で公開されているこのビデオは、彼らの武器である「轟音と焦燥感」をダイレクトに伝えるだけでなく、間近に迫ったデビューEPのリリースへ向けて、バンドの鮮烈な存在感を広く知らしめる重要な役割を果たしています。

Blood Red Shoes – “Start To End / Get Back Into Myself”

Blood Red Shoesが2026年6月12日にリリースしたシングル「Start To End / Get Back Into Myself」は、彼らの持ち味であるエッジの効いたガレージ・ロックとポスト・パンクの精神を色濃く反映した2曲入りの作品です。2026年に入ってから「Screams」や「DEAD AIR」といったシングルを精力的に重ねてきた彼らが放つ本作は、張り詰めた緊張感と躍動感のあるダイナミックなサウンドを展開しています。

バンドの核であるLaura-Mary Carter(G, Vo)とSteven Ansell(Dr, Vo)の2人による、容赦ないギターリフと強烈なドラムの掛け合いは本作でも健在です。タイトルからも窺えるように、終わりと始まり、そして自己の回復や葛藤をテーマにしたようなヒリヒリとしたリリックと、キャリア20年を超えてなお進化を続ける彼らのタフなインディ・ロック・サウンドが凝縮された1枚に仕上がっています。


美しき不協和音と脳を融かす轟音の嵐!疾走するサイケ・ジャムから暗黒のアンビエントまで、メタルへの扉を叩くアグレッシブな傑作『WASTELAND』が降臨

ポルトガルのサイケデリック・ロックバンド「TRAVO」が、ニューアルバム『WASTELAND』をFuzz Clubから10月2日にリリースします。本作は2023年の前作から一転し、ファンタジーから現代の不安に根ざした人間的で切実なテーマへとシフト。過密なヨーロッパツアーの合間に、1ヶ月強の過酷なリハーサルで書き下ろされた、バンドにとって最もヘヴィでメタリックな作品です。

本作はT.S.エリオットの詩『荒地(The Waste Land)』の各章に緩やかに着想を得ており、テクノ不安やディストピア、生と死、集団的スピリチュアリティの探求といったテーマを全7曲で描いています。音楽的にはダークなサイケデリックやインダストリアルの要素を取り入れ、これまでの彼らのスタイルをさらに進化させています。

アルバム全体は、疾走感のある激しいジャムと、静かで瞑想的なアンビエント調の展開が交錯する、アグレッシブでジャンルを超越したロックレコードです。キャッチーなファルセットから激しいシャウトまで使い分けるボーカル、美しい調和と不協和音を奏でるギター、タイトで催眠的なリズム隊、そしてバンド史上最も多用されたシンセサイザーが混沌とした世界を鮮烈に表現しています。


L’Rain – “soulless cycle”

Taja Cheek によるソロプロジェクト L’Rain が、2026年8月リリースの最新アルバム『fata morgana』から、先行シングル「soulless cycle」を公開しました。本作は、絶え間ない爆発の只中にある「静寂」を音像化したかのような、ダイナミックなコントラストが圧倒的なナンバー。比較的穏やかなバックトラックを背景に、彼女のボーカルが優しく渦巻くように静かに幕を開け、やがて大音量のドラムとギターがすべてを激しく飲み込んでいくという、美しくも劇的なカタルシスに満ちたインディー・ミュージックに仕上がっています。

楽曲の解禁に合わせて、映像作家 Mackai Sharp が監督を務めたミュージックビデオも公開されました。激しい嵐の目の中に留まるような独自の緊張感と、深い省察の瞬間に訪れる突破口を見事に捉えた映像作品となっています。長年の共同制作者である Ben Chapoteau-Katz や Andrew Lappin らと磨き上げたこの楽曲は、ノイズロックバンド No Age のような爆発力と、現代的(ニューエイジ)な精神の探求が奇跡的な融合を果たした、アルバムの万華鏡のような世界観を鮮烈に占う1曲です。


長年の盟友たちと紡ぐ、自己疑念や現代の疎外感と対峙したダイナミックな音楽絵巻──L’Rainが8月に放つ待望の4thアルバム『fata morgana』

シンガーソングライター Tasha の楽曲への客演でも話題を呼んだ Taja Cheek によるソロプロジェクト L’Rain が、2023年の前作『I Killed Your Dog』に続く待望の4作目のフルアルバム『fata morgana』を2026年8月にリリースすることを発表しました。本作は、長年のコラボレーターである Ben Chapoteau-Katz および Andrew Lappin とともに制作。自己疑念や、現代社会を生きる中で彼女が経験してきた帰属と疎外の蜃気楼(ミラージュ)に恐れず立ち向かった、極めてパーソナルな作品に仕上がっています。

アルバムの発表と同時に、卓越したリードシングル「soulless cycle」が先行公開されました。絶え間ない爆発の真っ只中にある静寂を描いたようなこの楽曲は、穏やかな背景のなかで Taja Cheek のボーカルが優しく渦巻くように静かに始まり、やがて大音量のドラムとギターがすべてを飲み込んでいくドラマチックな展開を見せます。深い省察の瞬間に訪れる圧倒的なブレイクスルーを想起させるこのナンバーは、Mackai Sharp 監督が手がけたミュージックビデオとともに楽しむことができます。

万華鏡のように多彩な輝きを放つ本作は、ダンスホール、テープ・メディテーション、スロージャム、ゴスペル、そして激しいメタルの影響までをジャンルの枠を超えて融合させた、枠に収まりきらない光と音のビジョンです。「自分が繁栄するようには作られていない世界の中で、いかにして成長していくのか?」という根源的な問いへの答えとして紡がれた本作は、魅惑的で儚くも力強いエポックメイキングな1枚として期待を集めています。


Makeshift Art Bar – “Discipline”

北アイルランド・ベルファスト出身の4人組バンド Makeshift Art Bar が、近くリリース予定のEP『Marionette』からのセカンドシングル「Discipline」をデジタルリリースしました。4月に発表されたリードシングル「Chocolate」に続く本作は、1980年代のインダストリアルミュージックにインスパイアされたダークで力強いトラック。併せて公開された Colin Peppard 監督によるミュージックビデオでは、かつての栄光と郷愁のなかで正気を失っていく Harry Styles のそっくりさん(トリビュート・アクト)の物語が描かれています。

バンドはこの楽曲について、「軍事産業複合体におけるプロパガンダが、個人の精神にいかに影響を及ぼすかを描いたもの」と語っています。凄惨な現実が都合の良い言葉で隠蔽されず、剥き出しの行為として突きつけられた時、個人の内面で道徳的な崩壊が引き起こされる様子を表現。本来のモラルを捨て去り、戦争という巨大な機械の歯車と化してしまった人間の葛藤と、その真実に直面する必要性を訴えかける重厚なテーマを持った1曲です。


Show Me The Body – “Eat For Peace”

Show Me The Bodyが、ニュー・アルバム『Alone Together』から、アルバムの幕開けを飾る新曲「Eat For Peace」をミュージックビデオと共に公開しました。「Dance In The USA」「No God」に続く先行シングルとなるこの楽曲は、彼らのこれまでのミステリアスな作風に比べてストレートなパンク・アンセムに仕上がっています。フロントマンのJulian Cashwan Prattは「愛する人を守るために戦うこと」を吠えるように歌っており、この「過激な愛が私を戦いへと駆り立てる(Radical love compels me to fight)」というフレーズこそが、今作とバンド自身を定義する信念であると語っています。

ミュージックビデオは、バンドがブルックリンのマッカレン・パークで毎週主催している護身術トレーニング・セッション「CORPUS Self Defense Training」の最中に撮影されました。また、彼らはこの新曲のリリースに合わせ、強力なラインナップを率いた北米ツアーも発表しました。ツアーにはタイ・バンコクのヘヴィ・ハードコア・バンドWhispers、ボルチモアのJivebomb、急成長中のスクリーモ・リバイバル・バンドHolderが全日程に帯同するほか、一部日程にはLip Criticも参加予定で、彼らの圧倒的なライブパフォーマンスへの期待が高まっています。

伝説的ノイズロック・バンド Parts & Labor の再評価から、闘病の経験を現代社会の歪みへと昇華させた「Upper Wilds」の最新作『Mercury』へと繋がる、ダン・フリールの比類なき音楽的軌跡

ローネン・ジヴォニー著の『Us v. Them: The Age Of Indie Music And A Decade In New York (2004-2014)』は、インディーロックがメインストリームへと躍進した時代のニューヨークの空気感を現場の視点から描いた一冊です。本書は大物スターに焦点を当てるのではなく、「Glasslands」や「Silent Barn」といったブルックリンの重要拠点を支えた人々や、実験的ノイズバンド・ボアダムス(Boredoms)による「77人ドラム」のような伝説的企画、そしてSea RayやDragons Of Zynthといった知る人ぞ知るバンドの姿にスポットを当てています。

この書籍の中で特に注目されているのが、BJ・ウォーショウとダン・フリール率いる強力なノイズ・ポップバンド「Parts & Labor」です。一時期は音楽ライターのクリストファー・R・ワインガルテンが凄腕ドラマーとして在籍していたことでも知られる彼らですが、本書の記述はニューヨークのロック界における彼らの立ち位置を浮き彫りにし、その優れたディスコグラフィーへの理解と評価を改めて高める契機となっています。

15年ぶりに再結成したParts & Laborの活動と並行し、ダン・フリールは自身のバンド「Upper Wilds」でも精力的に活動を続けており、過去の『Venus』『Mars』『Jupiter』に続く惑星シリーズの最新作『Mercury』を晩夏にリリースすることを発表しました。先行シングルであるタイトル曲「Mercury」は、フリール自身の皮膚がん手術の経験から「生命を維持してくれる太陽が、時に敵へと変わり得る」という着想を得て、インターネットや資本主義といった現代社会の歪みを燃え盛る炎に例えて表現した、非常に熱量の高い楽曲となっています。


Chat Pile – “Deep Blue”

オクラホマシティのノイズロックバンドChat Pileが、2026年9月4日リリースの3rdアルバム『Who Loves The Sun』から、先行シングル「Deep Blue」をミュージックビデオと共に公開しました。この楽曲はアルバムのために最初に書き下ろされ、作品全体のトーンを決定づけた重要なナンバーです。ベーシストのStinが「Chat PileがBilly Squierの曲(Lonely Is the Night)を演奏しているかのようだ」と語るように、バンド特有の強烈なノイズロックに独自のキャッチーなスウィング感を融合させています。

歌詞の面では、人々がスマホなどの画面に深くのめり込み、嘘の仮面を被って生きる現代社会の「集団的な無関心」を痛烈に批判しています。アルバムに込められた「極限の非人間的な時代に、いかに人間性を保つか」というテーマを象徴するように、Stephen Mondicsが監督したミュージックビデオと連動しながら、21世紀的な絶望と強烈なカタルシスを描き出しています。