結成から30年以上のキャリアを誇るニューヨークのインディー・ロック・トリオ Blonde Redheadのニュー・シングル「Blood Spilled」は、高評価を得た2023年のアルバム『Sit Down For Dinner』に続いて届いた楽曲です。緻密で美しく、どこか不透明で広がりのある独特の音響空間が広がる本作は、長年にわたり独自の美学を磨き上げてきた彼らならではの圧倒的な没入感と美しさを湛えています。
フロントパーソンである Kazu Makino(カバーアートも自身が担当)が「近年の相次ぐ喪失の季節」を経て書き上げた本作は、肉体の死を超えた魂の繋がりや存在の神秘を捉えた一曲です。死や衰退への恐怖に抗うのではなく、いま肉体を持ってこの地球に生きていることの歓喜、痛み、そして自由意志を全身全霊で讃えており、彼女の静かな歌声から魂を振り絞るような叫びへと昇華していく表現を通じて、生命の不可侵な輝きを力強く鳴らしています。
