Review

Beirutいつもの味を求めて少し遠めのラーメン屋に行ってきた。そのメニューには酒粕とサメの軟骨が入った特徴的なラーメンがあるのだが、いつもの軟骨があまりない。替わりに透明のくねくねした物体が乗っかっていた。日曜日だったから在庫が無くなっちゃたのかな。でも、味は相変わらず旨かった。

自分が欲しているいつもの歌声が当たり前のように存在する。気が付けば既に数曲進んでいた。時間をすっかり忘れさせる音楽。虜になる理由は、以前のような感傷的なフレーズやドラマ仕立てな展開があるからではない。今回の作品を支配するのは、この上ない心地良さ。

ソロ活動バンド的な立ち位置は最初の頃から変らないけど、常にバンド編成であり、作品を重ねるごとにZachary Francis Condonの音楽観がバンド内に浸透していったのだろうか。今作ではあまり難しいことはしておらず、唄の部分が強調されている。つまり彼の唄を演出する演奏は、いつもよりも凝縮しつつもあまり手を加えていない。簡単に言ってしまえばとても分かり易く、心地好さはそんなシンプルな作りから感じるのだろう。以前CMに使われていたことがありましたが、今回の方が使い易そう。そして、あっさりとアルバムが終了するのもこの作品としての意図が感じられます。