april’s fish – “fishbones”

フランス・ナンシー出身の若き3人組バンド april’s fish のシングル「fishbones」は、2000年代初頭の「ビデオカメラ(ハンディカム)」や「ジーンズの上にスカートを重ね着するファッション」の時代を彷彿とさせる、ノスタルジックな空気を纏ったオルタナティヴ・ナンバーです。彼らが描くのは、過酷な現実にピンクのニスを塗りたくったような「かつての初期インターネット世界(old internet)」。陰鬱なディストピアの運命を背負った世代の象徴である架空のキャラクター「Lizy April」を中心に据え、若者たちのインスピレーションと内に秘めた不安を鮮烈に描き出しています。

サウンド面では、トリップホップとシューゲイザーをベースに、ノイジーなテクスチャーとカタルシスに満ちたブレイクビーツを融合させた独自のジャンルレスなアプローチを展開しています。浮遊感のある歪んだギターサウンドと、激しく打ち鳴らされるビートの緩急が、楽曲に狂気的な美しさと圧倒的なダイナミズムを付与。過去のサブカルチャーへのオマージュを捧げつつも、現代の閉塞感をリアルに切り取った、エッジの効いた強力なシングルに仕上がっています。