Yarni – Pigna

ARTIST : Yarni
TITLE : Pigna
LABEL : EMK
RELEASE : 6/10/2022
GENRE : jazz, funk, soul
LOCATION : Sheffield, UK

TRACKLISTING :
1.Midnight Getaway
2.Utopia
3.Chic
4.In A Dream feat. Emily Marks
5.Nova
6.Lady feat. Jeff Darko
7.Cherub
8.Space Travel feat. Sheila Lee
9.The Astral feat. Jonoa
10.Trinacria

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太陽の光が降り注ぐシチリアの家々の窓をのぞくと、廊下に飾られた小さな不思議な陶器のオブジェが目に飛び込んできます。それは、直立した松ぼっくりが光っているもので、シチリアの開放感とおもてなしの象徴である ‘Pigna’ です。

‘Pigna’ は、Benjamin Harris(ベンジャミン・ハリス)(AKA )の3枚目のレコードのタイトルにふさわしい、楽しくも珍しいシンボルだ。2017年にデビューLPをリリースして以来、はその音楽的開放性、ハウスやテクノからシネマティック・アンビエンスや日本のパーカッション、さらにはジャズホーンやアフロビートのファンファーレにまで及ぶ直感的好奇心にコミットしたフォロワーを確立している。Yarniにとって、何でもあり、誰でもウェルカムなのだ。

Yarniは自分の音楽の旅路を「アウトサイダー」、つまり時代の流れにとらわれず、自分の好みやスタイルを確立していかなければならない人間だと語る。創造性は自由を得たときに開花し、技術はあらゆるニュアンスで探求される空間を与えられなければならないからだ。

この彷徨い、自ら招いた芸術性は、その後、2017年の ‘Entkommen’ では、ダービーシャーの残忍主義建築と自然の並置に触発されてエレクトロニクスと音響の混合に変換され、2021年の ‘Boro’ は日本への旅とそのユニークな歴史的音楽空間への没入から生まれたものであった。’Pigna’ は、Yarniが最も音楽的に多様な表現に到達した作品であり、その名前と理念はシチリアに由来するが、新しい音楽家のアンサンブルの甘美なオーケストレーションに音の故郷を見出したものである。

9人のアンサンブルを率いるYarniは、ライブ・インプロヴィゼーションを巧みに組み合わせ、熟練したグループがグルーヴの奥深くで演奏しているような温かみを生み出しています。オープニングの “Midnight Getaway” では、Daft Punkのディスコ・ファンクを思わせるヤルニのトップ・ラインのシンセとベースライン、レイチェル・シャーリーによるリリカルなフルート・ソロが交差し、リスナーを包み込む。Yarniのホーンセクションが前面に出て、Fela Kutiの先駆的なアフロビートの言葉にならないシンコペーションにオマージュを捧げているのです。

Yarniの耳は、これらの音楽ジャンルの表面を引っ掻くのではなく、その創作に細心の注意を払うことで、様々なサウンドのエモーショナルな本質を体現しているのである。”Utopia” ではアフロビートのサックスが、”The Astral” ではブレイクビートのリズムが、”Nova” ではベースラインがファンクのようにドロドロした音になっている。ボーカルのエミリー・マークスが歌う “In A Dream” 、サックス奏者のジョノアが歌う “Cherub”、ベーシストのアリー・マクマホンが奏でるメトロノミックな動きなど、コラボレーターにも自由裁量が与えられ、独自のスタイルをこの素晴らしい作品全体に取り入れることができるのだ。

‘Pigna’ を聴くということは、Yarniの音楽的なマインドに正面から抱かれている自分を発見することだ。ターンテーブルのプラッターの上にレコードを置き、そのまま演奏し、この旅するサウンドスケープに没頭することができるのだ。故Andrew WeatherallやDJ Harveyといった音の旅人たちがYarniの作品を支持するのも不思議ではない。なぜなら、ここには同胞がいるからだ。