Tigerbalm & Joy Tyson – Kete

ARTIST : Tigerbalm & Joy Tyson
TITLE : Kete
LABEL : Ubiquity Records
RELEASE : 10/21/2022
GENRE : house, disco, afro, artpop
LOCATION : UK

TRACKLISTING :
1.Kete
2.Kete (Instrumental)
3.Kete (Massimo Lamagna Remix)
4.Kete (Guinu & Cardaci Remix)
5.Kete (Mang Dynasty Remix)
6.Kete (Max Essa Dub Remix)
7.Kete (Radio Edit)
8.Kete (Max Essa Vocal Remix)

アーティストによっては、何年もかけて自分のトレードマークとなるサウンドを作り上げようと努力し、プロジェクト間でつまずきながら自分の声を見つけ出そうとする人もいる。新星Rose Robinsonののリリースは、そのトレードマークとなるサウンドに、感染力のある(そしてしばしばスリリングなパーカッシブ)リズム、鮮やかな聴覚の色、世界中の目まぐるしいサウンドとスタイルへの賛辞が注ぎ込まれている。

RecordsからリリースされたRobinsonの第一弾作品 ‘Kete’、そしてそれに続くシングルと秋にリリースされるデビュー・アルバムの中核をなすのは、彼女の地元ロンドンを中心に10年以上DJとして活動してきた結果、ダンスフロアで何が有効かを本能的に理解していることと相まって、この分類し難いパーソナルなスタイルなのである。

このアルバムでは、インドネシアの影響を受けたリズムと楽器が、輸入されたニューバレアリックビート(かつてエリック・ダンカンがバリ島に住んでいた頃、このスタイルを「バリ風」と呼んだ)、ニューディスコ、サンダウンハウスと隣り合わせに並んでいるのだ。

ベルリン在住のシンガー、Joy Tyson(別名Snake Milk、Farafi Bandのメンバー)のスタイリッシュで夜の女王のようなボーカルに祝福された「Kete」は、深夜にぴったりな一曲だ。この曲は元々インストゥルメンタルで録音され、タイソンが歌詞を書き、ボーカルを加えたもので、ゆっくりと忍び寄るコード、重みのあるダブディスコベース、サイケファンクギターの閃光、長年の友人でコラボレーターのパトリック・ドーズによるパーカッション、インドネシアの楽器とトリッピーエフェクトで彩られた素晴らしい低音の中毒性のあるトラックである。

クラブカルチャーと密接な関係にあるRobinsonのオリジナル・ボーカルとインストゥルメンタル・ヴァージョンに、同じようにインスパイアされた一連のリワークが添えられているのは好適だ。ベテランプロデューサーのMassimo Lamagnaは、Robinsonのオリジナルミックスにロケットを打ち上げ、ディスコとファンクのトライバルハウスをノンストップミックスした、息もつかせぬ作品に仕上げており、ブラジル出身の2人組Guinu & Cardaciは、日の出のようなグルーブ、鮮やかなエレクトロファンクシンセサウンド、感覚的な深いコードでこのトラックをより触感のあるソフトフォーカス領域に変えています。

ディスコ調のダンスフロア向けトラックは、シーンの重鎮であるBill BrewsterとRay MangによるMang Dynastyが担当。この2人の曲は甘美で、耳に心地よいメロディーとTysonの素晴らしいボーカルがスクエルシーなベースラインの上に乗っており、愛に溢れている。一方、Max Essaのダブミックスは、東京を拠点とするバレアリックのスペシャリストが、ゆっくりと暖かく、愛に溢れた作品を作り上げていく、まさにスケルトンな作品だ。Essaのフルボーカルミックスは、Robinsonのラジオエディットとともに、シングルのデジタル版にボーナストラックとして追加収録されている。

‘Kete’ のリリースに伴い、美しくスタイリッシュなビデオも公開されている。このビデオはベルリンで撮影され、フォトグラファー兼ビデオメーカーのRoberto Zanrossaが監督、この曲のシンガーであるJoy Tysonがアートディレクション、Kubma Dobrowolskiがバックヴィジュアルを担当しています。

‘Kete’ は、音楽的にもビジュアル的にも、その後のTigerbalmのリリースのアジェンダとなるシングルである。この曲は、彼女の芸術的ピークを迎えているプロデューサーによる、強い音の感情である。