Minotaur Shock – It All Levels Out

ARTIST :
TITLE : It All Levels Out
LABEL :
RELEASE : 10/16/2024
GENRE : ,
LOCATION : Bristol, UK

TRACKLISTING :
1.It All Levels Out
2.Memory Crates
3.Recognise You Anywhere
4.Moral Progress
5.Brother
6.Molding Physical Air
7.Deflecting
8.Launching The Kids
9.With Me?

ブリストルのエレクトロニック・プロデューサー、David Edwardsことの10枚目のアルバム『It All Levels Out』のインスピレーションとなったのは、学生時代の友人との偶然の出会い。当初のアルバム制作計画では、よりアンビエントでありながらメロディックな、Global CommunicationやAphex TwinのSelected Works Vol 2など、エドワーズに大きな印象を与えた90年代の音楽のような、いつもより少しルーズなものを作る予定でした。しかし結果的に、この偶然の再会は、音楽的というよりもインスピレーションやムードにおいて、アルバムを異なる方向へと導きました。

『It All Levels Out』はその結果生まれた、歳をとることへの希望に満ちた瞑想曲。このアルバムは、エドワーズにとって最もパーソナルで内省的なアルバムであり、間違いなく最強のアルバム。Yoshimura Hiroshiの『Surround』の環境音楽、Steve Reichのミニマリズムの傑作『Six Marimbas』、『West Mineral Limited』の濁ったアンビエンス、『Visible Cloaks』の流動的なニューエイジ・ヴァイブ、そして『Bark Psychosis』の瞑想的なポストロックまで。

「人生には、最終的に自分自身を知るようになる時期があると思うんです」とEdwards。「心配事や考えすぎをやめるという意味ではないけれど、あまり気にしなくなるというか。何が重要なのか、あるいは何が重要でないのかを見極める方が簡単なのかもしれない” とエドワーズは説明します。タイトル曲でアルバムのオープニングを飾る『It All Levels Out』は、物思いにふけるようなピアノのループから力強いコードと遊び心のあるメロディーへと変化していく曲。

私たちは学校で仲が良かったんだけど、ちょっと疎遠になって、どういうわけか、連絡を取り合うのに人生が邪魔になったんだ」とエドワーズは説明。「彼のお父さんが私にマヨネーズを紹介してくれたことを告白したら、彼は私のお父さんの運転が怖かったと言ってくれたの。私たちは今、あの頃の父親と同じ年頃です。彼は素晴らしい土鍋を作るんですよ」。このアルバムのジャケット・イメージは、マットが作った土鍋のひとつで、その結果生まれたトラックは、シンセティックなヴァイオリンの乱舞と、暖かく毅然とした音色のメロディーの滝を組み合わせたもの。

振動する鍵盤とガラスのようなマリンバが印象的な「Memory Crates」は、「CD、プロモ盤、LP、ミニディスク、壊れた古い楽器、忘れ去られた機器の配線などが入った木箱」を整理しながら、ガレージの片付けに費やした週末にインスパイアされたもの。おそらく処分するには良い時期だったのでしょうが、Edwardsは 「悪名高いほど記憶力が悪い 」ので、全部取っておくことにしたのです。「完全に失う一方通行 “であることは確か。だから、私が介護施設に入ったりしたときに、失われた記憶を呼び起こすかもしれないと思って、すべてのものをとっておいたんです」。

「Molding Physical Air」は、エドワーズが何もないところから美しい物理的なものを作る、本当に才能のある人たち…。私はそのどれもが苦手だから、存在しないものを集め、それを曲げて別のものにするという感覚を捉えた音楽を作りたかった」。

「Deflecting」は「回避について……それは基本的にX世代であることのスープの中を泳いでいることにつながっています。でも、まだそれをあきらめる準備ができていないんです」。

Global Communicationの傑作『76:14』を彷彿とさせる、美しくも妖しい、スペイシーで漂うエレクトロニック・シンフォニー。この曲は当初、アルバムの1曲目に収録される予定でしたが、「その後、他の曲は違うものになりました。この曲は少し暗かったのですが、他の曲はとても希望に満ちています。だから、ダウナーな感じで終われたのはよかった」。