ARTIST : Lisel
TITLE : Patterns For Auto-Tuned Voices And Delay
LABEL : Ba Da Bing Records
RELEASE : 2/17/2023
GENRE : electronic, experimental, artpop
LOCATION : Los Angeles, California
TRACKLISTING :
1.INTRO Liturgy
2.One At A Time
3.Stalactite
4.Wingspan
5.Immature
6.Blades Of Grass
7.Plainsong
8.Polyphony For Voices
9.At The Fair
10.Rising Mist
11.Whirlpool
クラシック・オペラ歌手として、ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団との共演、ロサンゼルス・フィルハーモニーでのMeredith Monkのオペラへの出演、伝説的なJohn Zornのヨーロッパツアーなど、複雑な音楽生活を送っているEliza Bagg。アート・ポップのソロ・アーティストLiselの名で自身の音楽を作りながら、Ben Frost, esperanza spalding, Nico Muhly, Julianna Barwick, David Lang, Lyra Pramuk, Daniel Wohl, Bryce Dessnerなど、著名な実験芸術家とボーカルとしてコラボレーションし、インディーロック会場や愛らしく薄暗い地下室などで演奏しています。ある日はリンカーン・センターかキッチンで、次の日はロサンゼルスの野外アンビエント・シリーズで…。彼女は常に2つの世界の間で葛藤しており、’Patterns for Auto-tuned Voices and Delay’ の制作を始めるまでは、それらを融合させる方法を発見することはありませんでした。
‘Patterns’ は、Steve ReichやPhilip Glassといった現代のミニマリストの作品とともに、ルネサンスやバロックの音楽を歌うボーカリストとしてのBaggの経験から生まれたものです。「このシステムは、彼女のヴィルトゥオーゾ的な歌声とオートチューンやディレイ効果を組み合わせ、人間と機械の融合を実現するものです。Roomful of Teethでキャロライン・ショーの音楽を歌うなど、長年にわたって高度に専門的な方法で自分の声を使用してきたバグは、そのレベルのボーカルテクニックをテクノロジーと組み合わせたときに何ができるかを探求したいと考えました。その結果、人間の声の可能性を追求したフル・スペクトラム・サウンドの旅が実現しました。新しいLiselのアルバムは、境界線を押し広げながらメロディーを維持する歌の世界を探求しています。「私は自分の体をオブジェクトとして、また共鳴する楽器として頼りにしています」と彼女は言います。「今、私の体の中で始まり、コンピュータ上で続くことは一つのプロセスであり、そこから生まれるアイデアは私の楽器です」。
確かに、彼女はそれを認めます。「私はSFオタクです」と彼女は笑いながら言います。「ブレードランナーやバトルスターが好きなんです。社会と機械がどのように関わっていくのかを探求するものが好きなんです」と笑う。最近、彼女が考えているのは、漂う黙示録的な感覚と、私たち自身の陳腐化についての疑問です。彼女がテクノロジーの能力を自身の音楽に吸収するのは時間の問題だった。Abletonを使った実験を通して、彼女は人間らしさを表現する音楽を作っているのであって、そうでないことに気づいたのです。「私たちは、テクノロジーの急速な変化を、私たちを支えている伝統の障害と考えたくなります。しかし、古代の形式とのつながりは、この新しい現実によって、失われるのではなく、増幅され、変容することができると感じています」 とバグは言います。
‘Patterns’ の制作中、彼女が最初に飛び込んだのはルネサンス期のポリフォニーと聖歌でした。 Hildegard von Bingen, Thomas Tallis, Carlo Gesualdoの音楽は、彼女にとって馴染みのある世界です。ルネサンスや中世の歌のスタイルやイディオムから始めて、それらのスタイルの新しい表現力を引き出すために、加工や電子的な世界観の構築を加えました。そこから、これらのスタイルで即興演奏を行い、その演奏をAbletonに送り込み、現代のハイパーポップ（SOPHIEなど）やアンビエントなエレクトリックサウンドや美学を取り入れました。”私は最大級のサウンドを目指していますが、私のインスピレーション源はミニマリストも含みます “と彼女は言うようにです。フィリップ・グラスからCharli XCX、Carl StoneからGrimesまで、Patternsはラディカルなつながりを作っている。
しかし、バッグにとって、これらのボーカル・テクニックの精神的な起源を維持することは重要であった。彼女が説明するように、”このアルバムでは、歴史を通じてそうであったように、レイヤーシンギングをスピリチュアリティへの道として使用しています。’Patterns for Auto-tuned Voices and Delay’ は、こうした伝統の中にあって、声を用いて大脳を超え、リスナーを圧倒し、500年にわたるユニークなレファレンスを喚起しているのです。
