Kishi Bashi – 151a (Demo-arigato Version)

ARTIST : Kishi Bashi
TITLE : 151a
LABEL : Joyful Noise Recordings
RELEASE : 3/11/2022
GENRE : indiepop, chamber
LOCATION : Athens, Georgia

TRACKLISTING :
1.Intro / Pathos, Pathos
2.Manchester
3.Bright Whites
4.It All Began With a Burst
5.Wonder Woman, Wonder Me
6.Chester’s Burst Over the Hamptons
7.Atticus, In the Desert
8.I Am the Antichrist to You
9.Beat the Bright Out of Me
10.Intro / Pathos, Pathos (Demo-arigato Version)
11.Manchester (Demo-arigato Version)
12.Bright Whites (Demo-arigato Version)
13.It All Began With a Burst (Demo-arigato Version)
14.Wonder Woman, Wonder Me (Demo-arigato Version)
15.Unicorns Die When You Leave (Demo-arigato Version)
16.Chester’s Burst Over the Hamptons (Demo-arigato Version)
17.Atticus, In the Desert (Demo-arigato Version)
18.I Am the Antichrist to You (Demo-arigato Version)
19.Beat the Bright Out of Me (Demo-arigato Version)
20.Winter from Shiki (Demo-arigato Version)

ファーストアルバムの制作には、人生のすべてを費やすと言われる。あらゆる形成的な瞬間、走り書きのフレーズ、テーマとなる啓示をつなぎ合わせ、幻想的なコラージュに仕上げるのである。マルチインストゥルメンタリストの K. Ishibashi (aka ) は、その古い格言を否定する。の2011年のデビューアルバム ‘151a’ のタイトルは、日本語の「一回一絵」をもじったもので、大まかに言うと「一回一場」という意味である。まさにこのデビュー作がそれである。一期一会」、「一所懸命」、「より大きく、より良いものへの出発点」

イシバシはアルバムリリース時にNPRに次のように語っている。「これは言葉遊びのようなもので、不完全な状態でユニークなパフォーマンスを行い、できるうちにそれを楽しむというパフォーマンスの美学として訳されています。「この言葉は、失敗を受け入れて前に進むことを思い出させてくれます」

Kishi Bashiがプロデュースと演奏を担当した ‘151a’ は、類まれな才能と意欲を示すものであり、ファンや同業者から注目されずに終わることはなかった。Kishi Bashiのソロとしてのキャリアをスタートさせると同時に、この真摯なデビューにより、彼はインディー・ミュージック界で最も需要のあるバイオリニストの一人となったのである。レジーナ・スペクター、ソンドル・ラーチェ、オブ・モントリオールなどのコラボレーターとして脇役に追いやられることもなく、Kishi Bashiの名前はそれだけで通用するようになったのだ。

‘151a’ は間違いなく深く個人的なものだが、このレコードは深く永続的なパートナーシップによって生かされている。of Montrealの Kevin Barnesとのコラボレーションによるアートポップ・アルバム ‘Paralytic Stalks’ を経て、岸バシの世界観と芸術的アプローチはより良い方向に変化していった。厳格な習慣は緩み、サウンドパレットは滲み、広がり、ストリングスループの土台からワンマンオーケストラが芽生えた。

ビーチボーイズ風のドゥーワップを解体した “Wonder Woman” から、東洋の色彩と西洋のオペラを融合した脅威の “Beat the Bright out of Me” まで、’151a’ は対立する衝動の調停役として、和解の可能性を提示しながらも決してそれを約束することはないのです。このアルバムの感情の源泉である “I Am The Antichrist To You” は、2021年にSFアニメ “Rick and Morty” で取り上げられ、岸バシを新しい世代の熱狂的なファンに紹介し、再創造された。

Kishi Bashiはまた、’151a’ を自身の文化的背景を探るための手段としても利用している。日本語のリフレインを構成的、質的な装置として用い(”Bright Whites” のポリリズムの壮大さ、”It All Began With a Burst”の陽気なシュールレアリズム)、岸橋は自分の伝統を真摯に讃える。日本語のフレーズや連句は、岸バシの華麗な歌声への応答として歌われ、愛、感傷、自分探しというアルバムのテーマと呼応する会話をリスナーに提供する。

151aのいた「ひとつの時間」「ひとつの場所」は、いまや天空の彼方まで続いている。しかし、聴くたびに岸橋の築いた世界がよみがえる。151aの世界は、決して去ったのではなく、ただ再発見されるのを待っていたのだ。