ARTIST : Kicking Bird
TITLE : 11 Short Fictions
LABEL : Fort Lowell Records
RELEASE : 4/4/2025
GENRE : indiepop, indierock
LOCATION : Wilmington, North Carolina
TRACKLISTING :
1.Rio No. 2
2.What Did You Expect (with Such A Beautiful Wife)
3.Verdun
4.Good Lighting
5.Where’d You Get Those Pants
6.Run To The Sea
7.Pardon Me (What Did He Say)
8.Cinnamon
9.Too Much Talking
10.Mister Morning
11.Good Company
11 Short Fictionsは、ノースカロライナ州ウィルミントン出身のバンド、Kicking Birdの2枚目のアルバムです。このアルバムには、このバンドの特徴である耳に残るフックと織り交ぜられたボーカルが満載で、さらにダークでヘビーなサウンドスケープとリリックな内容に深く踏み込んでいます。「準備ができたら話すわ」と、Shaylah Paulは激しいワルツ「Too Much Talking」で歌っていますが、バンドは話す準備ができているようです。血の斑点、黒魔術、ボートハウスでの密会といった主題が、突飛なギターのフレーズや肉欲的な激しさのドラムと重ね合わされています。
バンドによるセルフプロデュースで、ミックスはWolfgang Zimmerman(Band of Horses、Susto、Brave Baby)が担当したこのアルバムは、ストーリーテリングにおける真実と嘘のバランスを贅沢に探求した作品です。Belle & SebastianやThin Lizzyへのオマージュを込めた快活な「Verdun」は、戦争の誤った栄光とヴィクトリア朝の英国の社会的制約によって引き裂かれた、特権的な社会エリート2人のラブストーリーです。アルバム後半の「Marada」は、初期のT. Rexを思わせるファズ・ギターとファルセット・ヴォーカルで、飾り気のない雌狼が月明かりに照らされた野原を駆け抜ける様子を彷彿させます。
このアルバムには性的な緊張感と愛情飢餓感がにじみ出ています。11 Short Fictionsでは、バンドは「Cinnamon」や「What Did You Expect With Such A Beautiful Wife」のような素早いパワーポップの曲を中心に作曲していますが、「Good Company」のようなカントリーミュージックや「Good Lighting」のような90年代のヘビーな音楽にも心地よく落ち着くことができます。
事実と偽りの記憶。偽善、告白、否定。物語。これらの要素すべてが、11 Short Fictionsに織り込まれ、Kicking Birdは誠実な微笑みと悪魔のような微笑みを浮かべてそれらを提示します。