ARTIST : Kelley Stoltz
TITLE : The Stylist
LABEL : AGITATED RECORDS
RELEASE : 6/10/2022
GENRE : indiepop, psychpop
LOCATION : San Francisco, California
TRACKLISTING :
1.Change
2.We Grew So Far Apart
3.You Had To Be There
4.My Wildest Dream
5.It’s a Cold World
6.Is There Anything That’s Better Than This, Babe?
7.Your Name Escapes Me
8.In The Night
9.Wrong Number
10.My Island
Kelley Stoltz(ケリー・ストルツ)の17枚目のアルバム ‘The Stylist’ は、2001年にリリースされた ‘Antique Glow’ のThird Man Recordsからのリイシューに続き、10曲の新曲を収録している。このアルバムは2021年の初めに録音され、それ以来、レコードプレスのログジャムで滞っていたが、幸運にもストルツは、60年代後半や80年代中頃の端境期に登場したような、時代を超えた楽曲を書いている。
アコースティックギター、シンセサイザー、ドラムマシン、そして力強いメロディーが溢れている。彼の他の名盤 ‘Below the Branches’, ‘Double Exposure’, ‘Ah! (etc)’ と同様、ストルツはほとんどの楽器を演奏している。ストルツはほとんどの楽器を自分で演奏し、サンフランシスコの自宅スタジオで録音しています。ケリー曰く、「’The Stylist’ というタイトルを選んだのは、音楽的に僕がそういう人間だからなんだ。ポップ・ロックの流れを汲んでいるんだけど、曲によってサウンドやインスピレーションの幅が広いんだ。ある特定のムードを追求するというよりは、ミックステープのような形でまとまっている感じです。僕のアルバムはいつもそうなんだ」
“Your Name Escapes Me” のコーラスのようなギターのジャングルは、”New Bomb Turks” の名前をチェックしながら、ストルツの過去の忘れられた顔を思い起こさせる。”My Island” では、しつこいピアノとサックスのソロが、リスナーをソフトロックラジオのトロピカルな旅に連れて行ってくれる。ストルツはEcho & the Bunnymenで数年間リズムギターを演奏していたことがあり、”We Grew So Far Apart” は80年代の失われたリバプールの名曲のように鳴り響く。「このアルバムではピアノが少し多めになっている…サブポップ時代に戻って、もっとビートルズっぽい曲を書いていたんだ。ハリー・ニルソンとか…そういうの」と。実際、ピアノがリードする “It’s a Cold World” は、トッド・ラングレンとゾンビーズが合体したような曲で、ストルツは「時に冷たい世界だが、私はまだ戦いをあきらめる準備ができていない」と宣言している。
ありがたいことに、23年の時を経て、ビートは続いている。ストルツがどんなスタイルを選んでも、’The Stylist’ は、現代の偉大なソングライターの一人の印象的なカタログの中の、曲の喜びの大皿の一つなのである。