Green Lung – Black Harvest

Green Lungは結成から4年という短い期間で、イギリスのヘビー・アンダーグラウンドの濁流から立ち上がり、熱心なファンを持つ真のカルト・バンドとなりました。 2019年初頭に独立してリリースされたデビュー・アルバム ‘Woodland Rites’ は瞬く間に注目を集め、その結果、シングルはガーディアン紙の「Track of the Week」に選ばれ、ダニエル・P・カーターのラジオ・ワン・ロック・ショーで演奏され、同じイギリスのヘビー・バンドである Puppyとのツアーやヨーロッパ各地のフェスティバルへの出演を果たしました。

様々なレーベルからオファーがありましたが、バンドは自分たちのルーツに忠実に、Reverend Bizarreや Warningなどのドゥーミーな作品に影響を受けたフィンランドのオーディオの魔術師、Svart Recordsと契約することを決めました。Svartは、アルバムのデラックス・リイシューと、それに先立つEP ‘Free the Witch’ もリリースしてます。

2年後、フォークホラーに夢中の5人組は、何十もの磨き上げられたリフを携えて、暗い地下室から再び姿を現しました。’Woodland Rites’ の続編である ‘Black Harvest’ は、前作の “Night of the Living Dead” に対する “Dawn of the Dead” のように、バンドのサウンドをよりカラフルに再構築しています。

長年のプロデューサーであるWayne Adams（Petbrick, Big Lad）と一緒に、ウェールズ中部の田舎にある Giant Wafer Studiosで2週間かけてレコーディングされた本作は、これまでのバンドの作品に比べて、より広大で質感の高いものとなっており、映画のようなクオリティーと細部へのこだわりを持っています。すべてのサンプルは、地元の田園地帯やスタジオにある楽器から集められています。その中には、バンドが地元の教会に侵入した後、気まぐれに録音した “The Harrowing” の心に響くオープニング・ボーカルも含まれています（背景にオルガンがきしむ音が聞こえます）。このアルバムは晩秋に録音され、季節感が音楽に反映されています。霧、落ち葉、そしてバンドが故郷と呼ぶロンドンのマグニフィセント・セブン墓地の崩れた栄光の香りが漂っています。

また、このアルバムでは、「Black Sabbath meets Brian May」の青写真を超えて、新しいサウンドを取り入れています。”The Harrowing” では、バンドの伝統であるインストゥルメンタルのオープニング・トラックが、Atomic RoosterとBostonがジャムっているような、目もくらむような新しい高みに到達しています。一方、バラードの “Graveyard Sun” は、”Highgate Vampire” にまつわる伝説に基づいており、Type O Negativeが嫉妬するようなゴシック調のシンセ・ラインが加えられています。しかし、バンドの名を高めたフック＆ヘヴィネスのアプローチがここにないわけではない。革命的なリード・シングル “Leaders of the Blind” のサバス・ミーツ・パープル的なチャグ＆グルーヴや、”Onon the Altar” のハンマー・ホラー的なリフの狂乱がそれを証明している。締めくくりの “Born to a Dying World” は、バンドがこれまでに書いたものとは異なり、ほとんどゴスペルのような雰囲気を持つ終末のバラードで、バンドの普遍的な自然のテーマを「アントロポセン」に結びつけています。

Metropolisの John Davis（Led Zeppelin, Royal Blood）によってマスタリングされた ‘Black Harvest’ は、著名なアーティスト、Richard Wells（『ドクター・フー』、『ドラキュラ』、ベン・ウィートリー監督の『イン・ザ・アース』）によるステンドグラスのアートワークでパッケージされております。