Golden Brown – Gems and Minerals

「’Gems and Minerals’ では、Stefan Beck(ステファン・ベック)が Golden Brown名義で過去10年以上にわたってリリースしてきた青々とした牧歌的なインストゥルメンタルの世界をさらに深く掘り下げています。地球と天空のビジョンは、ベックの宇宙的な影響を受けたアパラチア・フォークのスタイルと巧みなプロダクションのレンズを通して見ると、これまで以上に鮮明になっています。

‘Gems and Minerals’ を構成する作品は、パンデミックが生活のさまざまな側面に浸透し始めた直後の2020年に形作られ始めました。ベックは当時のことを「昨年の憂鬱とトラウマの中で、音楽が聖域となり、安全な空間となりました（妻のサラも私も、パンデミックの間も対面で仕事を続けていたので、その分不安も大きかったのです。毎日、朝に音楽を流すことで、その日の調子や意図を整えてから外に出ることができました」 また、この作品は、地元コロラドの風景や、その空間にある避難所のような感覚に大きく影響されています。

アルバムのサウンドやムードには、”Gems” の落ち着きのないリードラインや、Sara Beckが演奏する “Spores” のチェロの暗い下地など、ある種の不安感が反映されています。しかし、 “Finisterre” でのラップスチールの浮遊感や、”Palimpsest” でのエレクトリックマンドラの物憂げなリフによって表現される、夢のような静けさもあります。また、”Fruiting Bodies” や “The Lyre Tree” などでは、自然界の崇高で淡々としたリズムに身を委ねるような感覚を覚えるかもしれません。このアルバムは、人間界の困難な現実に直面しながら、そこからの超越を想像上の空間や野生の空間に見出そうとする経験の集大成である。

Golden Brownは、コロラド州ロングモントを拠点とするマルチ・インストゥルメンタリスト、Stefan Beckの作品です。本作はステファン・ベックにとって6枚目のフルレングス作品であり、Inner Islandsからの初リリースとなります。