ARTIST : Genghis Tron
TITLE : Signal Fire
LABEL : Relapse Records
RELEASE : 6/12/2026
GENRE : metal, metalcore, electronic, artrock
LOCATION : Poughkeepsie, New York
TRACKLISTING :
1. I Am All
2. Signal Fire
3. Future Worship
4. Like Fotochrom
5. Tomorrow Mirage
6. Nothing Blooms in the Hollow
7. Without Form
8. Born Prey
9. A Love So Pure
10. New Gods
Genghis Tronの4枚目のアルバム『SIGNAL FIRE』は、彼らにとってこれまでで最も大胆な転換点となります。それは、ますますディストピア化する現在に形作られた、彼らの過去を重厚かつ不安げに屈折させた作品です。
ボーカルと作詞を担当するTony Wolski (The Armed) はこう語ります。「『Signal Fire』は、終わりのない代理戦争という小島秀夫的なディストピアを想定しています。そこでは、溢れる情報が人間の処理能力を凌駕してしまっている。無道徳で恥知らず、そして狡猾な者たちが、単なる執拗さによって現実さえも意のままに作り変えてしまうような世界です」
2004年にエクストリーム・メタル、シンセサイザーの質感、ドラムマシンの狂気が融合した独自のスタイルで登場して以来、GENGHIS TRONは強烈な印象を残し続けてきました。しかし『Signal Fire』は、バンドリーダーであるMichael SochynskyとHamilton Jordanが、Wolski、ドラムのNick Yacyshyn (SUMAC)、そして新たにベーシストとして加わったKenny Szymanski (The Armed) と共に、これほどまでの切迫感を内臓をえぐるような精度で捉えた初めての作品となります。「このアルバムは、まさに『今』に根ざしています」とJordanは確信を持って語ります。
アルバムの幕開けを飾る「I Am All」は、胸を打つようなシンセの鼓動で幕を開け、渦巻くインダストリアルなリズムと忍び寄るようなシンセラインの上で、Wolskiが「I’m on a tear, I’m on a tear(俺は暴れ回っている)」と宣言します。「Nothing Blooms in the Hollow」は、デザート・ロックの堂々たる風格を、目もくらむようなリフとチャントが複雑に絡み合う層に接ぎ木し、Wolskiが太陽に向かって突き進む宇宙船のように、バンドを完全なる音のバーンアウトへと導きます。「Born Prey」は、激しいブラストビート、エレクトロニックなブレイク、耳に残る不気味なボーカル、そして圧倒的なシンセポップのクレッシェンドという、GENGHIS TRONのクラシックなサウンドの要所を鮮やかに駆け抜けます。「Like Fotocrom」や「Without Form」のような瞑想的な間奏曲は、きらめきつつも不吉な美しさを届けます。そして「New Gods」は、Skinny Puppyの『Rabies』時代を彷彿とさせ、Wolskiが「New gods to bleed me out / No new peace / Bleed me out / I love it(俺から血を絞り出す新しい神々/新しい平和はない/血を絞り出せ/最高だ)」と繰り返し絶叫しながら、アルバムを痛烈でアンセム的なフィナーレへと導きます。
キャリア20年を迎え、MinistryとAphex Twin、Brutal TruthとBoards Of Canada、そしてClusterとConvergeの間に共通点を見出す能力を証明してきた今、GENGHIS TRONによる「醜くも美しい」新たなジャンルのハイブリッドは、もはや驚くべきことではありません。しかし特筆すべきは、SochynskyとJordanが、2004年に寮の部屋でのジャンル・パッチワーク的な実験――「俺たちが好きなものを文字通り詰め込んだ、カオスでワイルドな混合体だった」とJordanが振り返る――として始まったプロジェクトを、いかに洗練させ、紛れもない彼ら自身のサウンドへと昇華させたかという点です。





