ARTIST : Dinosaur Jr.
TITLE : There Near
LABEL : Jagjaguwar
RELEASE : 8/28/2026
GENRE : indierock, altrock, grunge
LOCATION : Amherst, Massachusetts
TRACKLISTING :
1. Several Got Away
2. No Friends
3. Everything At Once
4. Take Me With You
5. Blowin’ Up
6. Gone Off
7. Clam Along
8. Walk Me Back
9. Read The Room
10. Put It Down
11. No One’s Ready
ついに登場!Dinosaur Jr.が奇跡的な復活を遂げてからの20年間にレコーディングした、通算6作目のスタジオアルバムだ。『Sweep It Into Space』からの5年間、私たち買い手を満足させてくれるライブ盤や蔵出しコレクションはいくつかあったが、耳を震わせるようなDinoの新曲がたっぷり詰まったフルアルバムに勝るものは他にない。そしてこの『There Near』は、すべてのツマミが「エクストラ・クリスピー(カリカリに香ばしい極上サウンド)」にセットされている。
アマーストのBisquiteen Studioにて、1年をかけて短く濃密なバーストを繰り返しながら制作された『There Near』は、そのほとんどがDinoの核心であるトリオ――ドラムの王様 Murph、ベース/ボーカルで人間 tornadoの Lou Barlow、そして唯一無二のギター/ボーカル、J Mascis――だけでレコーディングされ、そこに地元の名ミュージシャンである Ken Mauriによるピアノとオルガンの演奏が少し加わっている。そしてアルバムは、最初から最後まで咆哮を上げ続ける。
Dinoのサウンドのエッセンスを定義するのは、決して簡単なことではない。ルーズなボーカル、鋭利なギター、そして野性的なリズムセクションが瞬時にそれと分かる形でブレンドされているのだが、これらのパーツが組み合わさることで、個々の要素を遥かに凌駕する、よりマジカルでエキサイティングな全体像が生み出されるのだ。厳密なロック評論の言葉を使えば、このアプローチを「ポストコア・パワーバラード風」と呼ぶこともできるかもしれないが、そんな言葉に何の意味があるだろう? Dinosaur Jr.は、Husker Düが同じようなアイデアを試していたのとほぼ同時期に、ノイズとポップを融合させる独自の方程式を発明した。そして、そのすべてが、彼らに影響を受けたNirvanaというバンドによって大衆化されることになった。だが、それは語り古された昔話だ。
『There Near』を通じて Jのギタートーンはいつも以上に野性的だが、それは彼が最近手に入れた1970年代製のMesa Boogie MK 1のアンプを弾いていることも理由の一くだろう。「僕らがファーストアルバムを作ったときに、Chris Dixonが持っていたのと同じアンプを買ったんだ」と Jは語る。「Chrisは彼の家で、彼のアンプを使って僕らをレコーディングしてくれた。しばらく出せていなかった、本当に興味深い音がするアンプなんだ。今回のアルバムでは、その音を取り戻そうとしていた。1970年代に、The StonesがSantanaの演奏を聴いた後にMesa Boogieを使い始めたんだ。それからThe ClashがThe Stonesを真似した、という風にね。年月が経ってMK 2とかに進むにつれて、Boogieはよりメタルらしいサウンドになっていった。でも、MK 1はパワーアップさせたFenderのような音がするんだ。Rick Rubinがプロデュースするバンドに、彼らのファーストアルバムを座って聴かせて『あのサウンドに戻ろう』って言う話をよく耳にするよね。だから、僕はただ自分自身に彼のそのアドバイスを与えたんだ」
自身の歌詞のアプローチが持つ、哲学的な曖昧さについて尋ねると、Jはこう答えた。「曲を書いているとき、その曲が何について『歌っている』のか、自分でもいつも分かっているわけじゃないんだ。ある時点で意味が浮かび上がってくるんだろうと思っている。使える言葉なら何でも使うよ。その多くは、僕がその時読んでいるオカルトめいたナンセンスな本に影響されるだろうね。あまり深く考えすぎないようにしているんだ。Spotifyが曲の歌詞を全部表示するのはつまらないと思う。それの何が楽しいんだい? 日本のレーベルはいつも僕らに印刷用の歌詞を出してほしがったけれど、僕は渡さなかったから、彼らはただ何とかして聞き取ろうとするしかなかった。The StonesやR.E.M.、あるいは他の誰の曲であっても、歌詞は自分なりのバージョンを勝手にデッチ上げる方がいつだって楽しいよ。だって、R.E.M.なんて『モゴモゴと呟くこと』が彼らのすべてだったじゃないか。どうして彼らがプレッシャーに負けて、はっきりと発音し始めたのか、僕にはどうしても理解できなかった」
「このアルバムは以前より明るく聴こえると言う人もいたけれど、それは僕の歌い方のせいだと思う。だって『No Friends』みたいな歌詞を読めば、そうじゃないと思うはずだからね。でも、僕は普段三人称で歌詞を書くんだ。すべてはただの作り話さ」
『There Near』に収録されている Jの楽曲のいくつかに、やや柔らかい叙情的なエッジが見られるのは確かだが、比較的きらびやかなバラードである「Put It Down」でさえ、最終的には激しいギターディストーションのシャワーとなって爆発する。ただそうなってしまうのだ。一方で、Louが提供した2曲――「Blowin’ Up」と「No One’s Ready」――は、音楽的にはそこまで熱狂的な設定ではないかもしれないが、その歌詞は現在の政権に対する、鋭くタイムリーな攻撃のように響く。いつものことながら、Louのメロディー構築は親しみやすい表情をしているが、彼の歌詞はナイフのように鋭く切り込んでくる。
『There Near』は、Dinosaur Jr.の名盤の系譜をしっかりと受け継いでいる。これらの新曲は、歴史的な名曲たちの間で、怪物級のリフをライブのステージから鳴り響かせ、間違いなく素晴らしい響きを放つはずだ。彼らのライブを観るのが待ちきれないが、それまではこの『There Near』が常に傍にいてくれるだろう。近ければ近いほど、素晴らしい。
――Byron Coley





