Atsuko Hatano & Midori Hirano – Water Ladder

ARTIST : Atsuko Hatano & Midori Hirano
TITLE : Water Ladder
LABEL : Alien Transistor
RELEASE : 12/3/2021
GENRE : experimental, ambient, classical
LOCATION :

TRACKLISTING :
1.Summer Noise
2.Nocturnal Awakening
3.Cotton Spheres
4.Water Ladder
5.Sleeping Trees
6.Cascade

ベルリン在住のマルチ・インストゥルメンタリスト と東京在住のストリングス・エクスペリメンタル・アーティスト波多野敦子が、最近リリースしたソロ作品 ‘Soniscope’ (Dauw)と ‘Cells #5′ (Important Records)に続き、初のコラボレーション・フルレングスを発表しました。’Water Ladder’ です。以前のコラボレーション(敦子は2006年にMidoriのデビューLPに参加しています)に続く、強烈で重層的なこの新しいコラボレーションアルバムの基礎は、2019年にベルリン(オーストラリア)と日本でステージを共にしたときに築かれました。最初はリモートで作業していましたが、後にアルバムの一部を奈良の noihouse(無指向性多面体スピーカーを使用)でレコーディングしました。’Water Ladder’ は からリリースされます。

「このアルバムを制作する過程で、録音を繰り返していくうちに、予想外の揺らぎや不規則性が生まれ、既存の型にはまらない独特の弾力性や浮力を持った音楽ができあがっていきました。」ジム・オルーク、石橋英子、モッキー、山本達久、遠山武夫、須原杏(あさチャン&純礼)など、ソロや仲間とのレコーディングで多忙を極める作曲家でヴィオラ奏者の波多野敦子は、「私たちの間のギャップを埋めるために、水のはしごを作ったかのようでした」と語る。

京都出身でベルリンを拠点に活動する は、MimiCofという名義でも音楽を発表しており、’Water Ladder’ の刻々と変化する音の風景に複数の楽器を加えています。このアルバムは、宙に浮いているかのようなサスペンスフルな構成が特徴で、その感覚を「高速エレベーターに乗っているときに感じる、上に行っているのか下に行っているのかわからなくなるような独特の感覚」になぞらえています。

小鳥のさえずりは聞こえませんが、アルバムの冒頭を飾る “Summer Noise” では、夏の終わりの空気がブーン、ブーン、ヒューという音で満たされています。映画のようなイントロに、ゆっくりと動くピアノのコード、そして8分間の広大な時間をかけて不吉な雰囲気を醸し出しています。他にも、突然のビオラの炸裂が夜の静寂を切り裂き(”Nocturnal Awakening”)、続いて “Cotton Sphere” では、宙に浮いているような感覚を完全なものにしています。ハーモニーとメロディーが立ち上がり、形成され、再びバラバラになって、以前に定義された空間の痕跡だけが揺らめきます…。

タイトルトラックが中盤で本当に爆発したのに対し、最後の “Cascade” はエレクトロ・アコースティックな6曲のコレクションに終わりをもたらします。浮遊感は続いていますが、連動する音楽の平面はもはや乱れたり波打ったりせず、一度に多くの方向に引き裂かれることもありません。その代わり、音の流れは、大雨や突然の雪解けの後の儚い滝のように、融合し、やがて消えていきます。