Aroent – Say EP

ARTIST : Aroent
TITLE : Say EP
LABEL : Infinite Machine
RELEASE : 5/27/2022
GENRE : bass, electro, techno
LOCATION : Berlin, Germany

TRACKLISTING :
1.Say
2.Rolling Oddities
3.Bobcat
4.Say (Ploy’s Skeletal Tool Remix)

2021年のリリースに続き、が新鋭の4曲入り作品をリリースする。ベルリン在住のは、3曲のオリジナル曲(UKダンス界の重鎮Proyによるリワークも収録)と、不気味なドラムワークで構成された、シリアスなローラートラックを発表している。レコードのアートワークの奇妙で抽象的な生き物のように、’Say EP’ の音楽は90年代のIDMのような緻密なアレンジとレイヤー、そしてUKテクノとファンキーのオフキルターでスイングしたビートが混ざり合った、不定形の獣のような作品になっている。

このEPはタイトルトラックで始まり、スナップ、クラップ、ファントムサンプルの渦がアシッドなベースラインによってしっかりと支えられている。この曲では、Aroentの偶然と幸運を受け入れる姿勢は明らかで、特異なオートメーションとランダマイザーを投入し、5分間に渡って曲を成長させ、進化させています。ブレイキング・バッドから引用されたVoxサンプルは、’Say’では互いに崩壊し、内側に倒れていくようで、まるでこの曲が(ハイゼンベルクと同じように)崩壊し腐敗した社会のサウンドトラックであるかのように見えます。

“Rolling Oddities” では、ブリストルのベースとテクノのシーンに対するAroentの愛情がはっきりと表れている。この曲は、朝まで続く騒がしい夜のために作られたような曲で、ドライヴ感とリズムの要素の組み合わせ、そしてアレンジとサウンドプロセッシングの面でかなり突飛な決定が散見され、まさにその言葉通りの作品となっている。Batu、Lurka、Hodgeのファンなら絶対に聴いておきたい一曲です。

次の “Bobcat” は、上昇し続けるフィルターと、爪先立ちで踊るようなミュートされたパーカッションで、やや浮遊感と恍惚感を演出する。特にこの曲では、テクノやベースの要素を取り入れながら、Jersey Clubの曲にも使われているようなキックドラムを使用するなど、Aroentのジャンルにとらわれない制作姿勢がよく現れている。

“Ploy” は、Say EPのタイトルトラックであるSkeletal Toolのリミックスをリリースした。Timedanceのメンバーである彼は、オリジナルの誇張されたドラマチックな要素を取り除き、ポリリズムのセミジャンルレスなヒーターに仕上げている。この曲は、ジャンル分けされていない。

この ‘Say EP’ は、リリース数は少ないものの、ギリシャ出身でベルリンを拠点に活動するプロデューサーが自信を持って送り出した作品であり、その完成度は非常に高い。ある意味、Aroentは既にUKベースの様々な要素を取り込み、独自のサウンドを作り上げているのだ。これは、ウェアハウス・クラブの影に潜む音楽だ。