Abigail Lapell – Stolen Time

Howard Bilerman (Arcade Fire) がモントリオールの Hotel2Tango Studioでプロデュースした Abigail Lapellの ‘Stolen Time’ は、自然界のイメージや移り変わる季節を取り入れ、何十年、何世代にもわたって長い目で見て、最終的には最高の音楽だけができる方法で今この瞬間を届けてくれる、エレガントかつ強力な喚起力を持った作品です。’Stolen Time’ には回復というテーマがあり、禁酒を始めたり、パートナーの急病に対処したり、再発とリハビリのサイクルを探求する歌詞があります。アルバムのタイトルは、ラペルが独学でピアノを学んでいるときに覚えたテンポ・ルバートという音楽用語に由来しています。音楽的なフレージングにおけるテンポの押し引きを意味するこの言葉は、不確かな時代の壊れやすいリズムや、逃避と背中合わせの暗闇の比喩としてふさわしいものです。

詩的で絵画的な ‘Stolen Time’ は、70年代のフォークロックのようなライブ感、構造的な実験性を持ち、Gillian Welchや Karen Daltonのような、ゆったりとしたサイケデリックで別世界のような広がりのある楽曲に仕上がっています。また、モントリオールのマイルエンドで形成期を過ごした後、故郷に戻ったラペルにとって、2つの重要な音楽コミュニティの出会いを意味するものでもある。