デンバーを拠点とするインディーポップデュオ、Tennis(夫婦ユニットのAlaina MooreとPatrick Riley)は、2010年にデビューシングル「Baltimore」を発表して以来、15年間バンド活動を続けてきました。
Tennisは本日、別れを告げる発表を行いました。既にリリースを予定していたアルバム『Face Down In The Garden』がTennis名義として最後の作品となり、その後初期の未発表音源を集めたEP『Neutral Poetry: First Recordings, Unreleased Demos 2009-2010』を公開し、最後の北米ツアーに出発する予定です。
Mooreは活動終了の背景について次のように語っています。「Face Down In The Gardenは、私たちの7枚目のスタジオアルバムです。インスピレーションは『Pollen』(2023年のLP)のツアー中に浮かんだものですが、その後さまざまな困難が立て続けに訪れました。タイヤのパンクやエンジン故障、慢性疾患の発症、破滅的な航海、そして海上での強盗未遂事件など、日常は絶えず危機に満ちていました。その中で、曲の断片が宇宙の贈り物のように届きましたが、完成には至りませんでした。」
彼女はさらに、「私たちは過去の記憶を振り返りながら、アルバム制作を進めました。この作品では、私たちの人生の軌跡を辿り、結婚式での会話や沖合での夜、ツアー日記などを基にして音楽を紡いでいます。」と述べています。
新アルバム『Face Down In The Garden』では、彼らの長いキャリアを通じて進化してきた音楽性を集約。外部ドラマーの協力を少し受けながらも、二人で制作し、親しみやすさと独創性を兼ね備えた音楽を追求しました。
Tennisは新曲「12 Blown Tires」を公開し、その歌詞が『Face Down In The Garden』のタイトルにも繋がっています。この楽曲は、ツアー中の出来事から生まれ、バンド活動の集大成ともいえる内容です。
最後のツアーを前に、彼らは次のようなメッセージを残しています。「20代から30代のすべてをTennisに費やしてきました。これまでの経験は喜び、困惑、挑戦、そして謙虚さに満ちていました。これで、Tennis名義としての活動を締めくくり、新しい創造的なプロジェクトや生活のスペースを追求する準備が整いました。このツアーは、結論のようなものに感じられます。道中でお会いできることを楽しみにしています。」