American Footballの影響力は広範囲に及んでおり、それは彼らがリリースを予定しているカヴァー・アルバム『American Football (Covers)』のトラックリストからも明らか。そのカヴァーのひとつは、サザン・ゴシック・オルタナポップ・シンガーのEthel Cainによるもの。彼女は、オリジナルの3分16秒から10分近くに引き伸ばした “For Sure” をカバー。彼女のバージョンは、オリジナルの精神を生かしつつ、純粋に新しい何かを加えています。American FootballのSteve Lamosは、「Ethel Cainのおかげで、この曲がもっと好きになった 」と言っています。
Ethelは「すぐに『For Sure』をやりたいと思ったの。レコードを回すたびに目立っていたし、この曲を自分のサウンドにどう反映させたいかはっきりわかっていたから。この曲の中で一番好きなのは、ペンシルバニアに住んでいた頃に住んでいたアパートの前を通る電車の音で、最初と最後にシンセのように伸びているんです。American Footballは、デビュー・アルバムでその瞬間を刻んだバンドの1つであり、そのマークはとても長寿で、20歳になった私を見つけたのと同じように、リリースされたその日に他のみんなを見つけたのでしょう。彼らのサウンド・ストーリーテリングは、長年にわたって数え切れないほど多くのインスピレーションを私に与えてくれたので、このカヴァー集への寄稿を依頼されたことは本当に光栄でした。American Footballよ永遠に」
大学教授でもあるLamosが初めてEthelの音楽を聴いたのは、教え子の一人。「彼らは、カインの’American Teenager’が、テクスチャーの要素、慎重なテンポ、そして悲しげな歌詞を通して、いかにみずみずしい音の風景を作り出したかを説明する素晴らしい論文を書きました。カインは、この『For Sure』でも同じような贅沢を味わっています。一音、一フレーズ、一母音にじっくりと時間をかけています。その過程で、彼女は原曲の痛みや憧れを強めることに成功しています」