Veronica Falls – ‘Waiting For Something To Happen’ (Bella Union/Slumberland)

ギター・ポップと聞いたら皆さんはどんなのを想像するのだろう。90年代はよく使われていたが、いつの間にかあまり聞かなくなり、最近ではインディっていう括りに収まっている。このインディうんぬんは前にも言ったかもしれないが、やっぱり使うのは結構不便。広すぎるんだよね、解釈が。でもって、同時にインディ・ポップとかインディ・ギターとかも使われていたと思う。これらのうちどれかを Veronica Falls に当てはめるとしたら、インディ・ギターが一番しっくりくる。それは、インディつまり、メジャー流通の持たない独立系のレーベルが持っている音楽志向性の高いもの。音楽的には色んなものがあるが、共通するのは商用的な手が加えられていないもの。なかには狙いの商業ポップも存在するが、基本的にはアーティストの本質がそのまま反映されている。そして、ギターです。ですが、あえてギターと加える理由は、当たり前だがギターが中心にある音楽だからです。でも、ギター中心でもメタルとか、フォークとか色々ある。ギターが鳴っていないロックやそれ以外の音楽を見つけるのはなかなか難しい。だから、インディとギターという単語の組合せがあって初めて成立する音楽、それが Veronica Falls だとおもうのです。そして、この組合せから聞こえてくる音楽には “若さ” が存在する。おじさん達が若かりし頃を思い出して復活することも少なくないが、彼等はバリバリの現役。そしてその若い時代にしか出せない音ってあると思う。すごく素直に、飾ることなく、ギターで、音楽をやる。今作はもしかしたら Veconica Falls のピークにある作品になるかもしれない。

8.5/10